自己満上等ォォォ!!
声が聞こえた気がして目を開けた。
ちらりと横を見れば、の背中。
…寝る前と同じ格好で寝とって、体痛うならへんのかな。
頭を動かして窓の外を見れば、うっすらと空が白んできとる。
夜明けが近いらいしいけど、なんでこんな時間に目ぇ覚めてしもたんやろ。
なんや損した気分やわ。
寝転んだまま大きなあくびをいっこして、もう一度の背中を見る。
呼吸に合わせてゆっくりと肩が上下しとるところを見ると、爆睡中やな。
一丁寝顔でも拝ませてもらいますか。
ゆっくり体を起こして、背中から顔を覗き込もうとしたとき。
「ん…」
「!」
がもぞもぞと動いたもんやから、慌てて布団に潜りに背を向ける。
せやけどいつまで経っても恐れた拳は飛んでけぇへんかったから、もう一度背中越しにを見た。
の背中はさっきと何も変わらんで、ゆっくり同じリズムで上下しとった。
ほっと胸を撫で下ろしつつ、ごろりと仰向けになる。
こんな夜更けにひとりで何やってんやろ俺。
なんや疲れたわ…ちっとも寝た気せぇへんわ。
もう一回寝たろ、そう思って仰向けのまんま目を閉じた。
さっき見たの背中みたいにゆっくり呼吸を繰り返すと、意識が沈んでくような気がした。
あーこれもうちょっとで寝るわ…
そう思うた時、が動いたかと思うと体の右半分が重うなった。
せやから閉じようとする目ぇを無理にこじ開けた。
そして目の前の光景に思わず唖然としてもうた。
信じられへんことにが俺に寄り添って寝とる!
ちょっ…何やこれ夢?!
思わずほべたをつねってみると、激痛。
大丈夫や、ちゃんと起きとるで俺。
高鳴る心臓を抑えながら、もう一度を見る。
俺の好きな意思の強そうな瞳は、まぶたに隠れて見えへんけど、いつもより無防備な表情に心臓が一段と速くなった。
じっと見とったら、なんや俺むらむらしてきたんやけど。
これ据え膳とちゃう?
据え膳やろこれ!
確かこれ食わんと男の恥じやんな?
そうやんな日本!
日本もそうや言うとるわ!(脳内で)
いざ体を起こそうとしたとき。
「ん、スペイン…」
情けないことに、自分でも肩がビクッて震えたのがわかった。
バレたら終わりや、散々罵倒されて病院送りかも知れん…
恐る恐るを見る。
せやけどの長いまつげは伏せられていて、肩は相変わらず一定のリズムで上下しとる。
ただひとつ違ったんは、が微笑んでるてこと。
不思議なことにそれを見たら、やましい感情なんかどっか行ってしもて、が愛しくてしょうがなくなった。
無意識にの頭に手を伸ばし、やわらかい髪を撫でる。
「まったく…そんな顔で人の名前呼んで…どんな夢見とんねん」
そしたらの笑みが一層嬉しそうになった気がして、俺まで幸せな気分になった。
を起こさんように体をもそもそ動かして、を抱き締めて目を閉じた。
据え膳は諦めたんや、これくらい許されるやろ?
真夜中に一騒動。