自己満上等ォォォ!!








のことが気になって、頭から離れへんかった。


俺に背を向けたとき、は確かに泣いとった。

はロマーノが欲しいて言うてたけど、絶対にあれは嘘やと思う。

のことは小さい頃から見てきてるんや、俺にはわかる。


家の前までたどり着くと、ロマーノが家から飛び出してきた。

その顔は必死で、なにやら辺りをキョロキョロ見回しとる。



「…なんやロマーノ。どうしたん?」

は?!」

?おらへんで」





ロマーノは俺の言葉にあからさまに肩を落とした。

伏せた目に涙が浮かんどるようにも見える。


「どしたんロマーノ。なんかあったんか?」



しゃがんでロマーノの視線に合わせたら、キッと睨みつけられてしもた。

…なんや今日はよう睨みつけられる日やなぁ。



「…早く俺を突き出して、こんな戦争終わらせろよスペインこのやろー」








その言葉に驚いた。




「…なんでお前、それ知っとるん?」





ロマーノはしまったっちゅう顔して、慌てて口を手でふさいだ。

そんなんしたかてもう遅いで。俺はしっかり聞いたで。


俺かて今日やっと宣戦布告の理由を聞かされたっちゅうに、なんでそれをロマーノが知っとんねん。

ロマーノは手で口を押さえたまま、首を横に振る。






「…お前、なんや知っとるな?」



ずいっと顔を近付けると、ロマーノは観念したんか口を覆っとった手を放した。

「お、怒るなよちくしょー」と前置きをして、ロマーノはぽつりぽつりと話はじめた。








ロマーノが全部話し終わったとき、俺は手を振り上げた。

正直、ひっぱたいたろと思った。

ロマーノも覚悟したんかギュッと目ぇ瞑って体を強張らせた。


せやけど、悪いんはロマーノやない。

ふがいない俺や。






俺は振り上げた手をローマノ頭にポン、と乗せた。






「かんにんなロマーノ」



ロマーノは驚いたように目を見開き、みるみるうちに目を涙でいっぱいにする。

俺はポンポンとロマーノの頭を撫でながら、の顔を思い出した。


あいつも今のロマーノみたいな、苦しそうな辛そうな顔をしとった。

に戦争なんかして欲しゅうないと思うたのに、戦争させてたんは俺やった。


自分が情けのうて、阿呆らしゅーてかなわんかった。




ロマーノの言うとおり、一刻も早う戦争を終わらせなならんなぁ。


俺は勢いをつけて立ち上がると、ロマーノに笑いかけた。






「安心せぇロマーノ、明日にでもこんなん終わらせたる」




ロマーノは心底驚いた顔しよった。ほんま失礼なやっちゃなぁ。




「お、お前にそんな力あんのかよ。戦争を一日で終わらせるなんて無理だろちくしょーめ」

「やったるわ」

「大体今お前ものすごく劣勢じゃねぇか!どうやって巻き返すつもりなんだよ!」

「見くびってもろたら困るで。任しといてや」




俺は太陽の沈まん国と呼ばれた男やで。

少しくらい弱体化してたかて、妹や子分の面倒くらいきっちり見られんねんで。




そう言うたら、やっと安心したんかロマーノは涙をごしごしと拭いた。


「じゃあ明日中に終わらせられなかったら、てめぇ俺の植民地になれよ」




やっといつも通りに笑ったロマーノのほべたが、夕日に赤く染められて、やっぱりトマトみたいやと思った。






(それにしてもに嫌われたんやのうて良かった)








*あとがき(1〜3話)






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