自己満上等ォォォ!!
扉を静かに開く。
音が立たないように、そっと。そっと。
部屋の中は暗い。
私の開けたドアから漏れた明かりが、まっすぐ部屋の中へと伸びている。
まるで私の進む道を示しているかのように。
私は扉を少しだけ開けたまま、部屋の中へ足を踏み入れた。
キシ…
床が小さな悲鳴を上げた。
それは至極小さな音のはずなのに、先に広がる闇の中に溶けていく。
暗闇の中にぼんやりと影が浮かぶ。
その中に求めるものを見つけて思わず唇が細く笑みの形を作る。
ゆっくりと近づく。
あと数歩…。
そしてやっとたどりつく。
あなたの眠るベッドの横。
あどけない寝顔に思わず手を伸ばしそうになったけど思いとどまる。
ゆっくりと布団が上下している。
何も知らずによく眠っている。
静かだった。
外は雪が降っているというのに、その音すらも聞こえない。
しばらく寝顔を見ていたけど、とうとう彼の首に両の手をそえる。
それでも起きないあなたは何故世界に恐れられているの?
少し指に力をこめる。
あなたの首に指が少し沈んだ。
この手に力をこめてしまえばいい。
ただそれだけでいい。
また力をすこしこめる。
するとやっとあなたは苦しそうな顔をした。
さぁこのまま力をこめて、さあ、さあ。
ゆっくりと手を離す。
「ふふっ…」
自然と笑いが漏れた。
ああ、私はなんて愚かな…
するとあなたの目が開いて、私の手を掴んで笑った。
闇に輝く碧い瞳。それはそれは楽しそうに。
「ねぇどうしたの?やめるの?」
表情も口調も普段のそれで。
まるで何もなかったかのように。
「…ええ」
私の手は、さっきまであなたの命を奪おうとしていた私の手は、今は愛しそうにあなたの頬を撫でる。
片方の手はあなたに捕まっているから、自然と私はかがむような格好になる。
さっきよりもあなたの顔が近い。
どちらからともつかずにキスをした。
顔が離れるとあなたはまた笑う。
「どうしてやめたの?」
「さぁ…私にもわからないわ」
「馬鹿だなぁ…そうしたら独立できたのに」
「知ってるわ」
私が肩をすくめると、あなたは楽しそうに肩を揺らす。
「は本当に僕が好きなんだね」
「そうね」
「嬉しいな。僕もそんなが大好きだよ」
「私もよ。でもそれと同じ分だけ憎んでる」
そして私たちはまた笑い合う。一体何が可笑しいのか。
二人ともわからないまま、再び唇を重ねた。
それはあまりにも綺麗で残酷な。
20080201
*あとがき
*こちらよりお題をお借りました。
BLUE TEARS