自己満上等ォォォ!!
それはフランスの家に遊びに行った時のこと。
家の中に私を迎え入れてくれたフランスは、綺麗な笑顔でにこりと笑った。
その笑顔に一瞬見とれていると、腰の辺りに違和感。
案の定、笑顔のままでフランスが私の腰を撫で回していたので思いっきり殴り飛ばした。
フランスは高度はないとは言え、見事な放物線を描いて床に伏した。
一瞬ときめいた自分が腹立たしくて、もう帰る!と叫んで踵を返すとフランスが私を引きとめた。
血塗れの顔だけを上げ、私の足首を掴む様はホラー映画か何か。
ぎゃあぁぁぁと叫びながら、何度も踏みつけてしまった。
痛いッ!!痛いって!!の声に我に返ると、私の靴の下にボッコボッコになったフランスがいた。
本当は帰ろうと思ったけど、さすがにそんなボコボコにしてしまっては申し訳なかったのでやっぱりお邪魔することにした。
その意思を伝えるとフランスは見事に復活し、さっきの怪我が嘘のように私の手をとってスキップしながら廊下を進んだ。
そして私をふかふかのソファに座らせると、ちょっと待っててと言い残してキッチンへと消えた。
どうやらお茶の用意でもしてくれるらしい。
フランスの作るお菓子はおいしいから、期待して待つことにする。
ふとソファの足元を見下ろすと、上質な黒い革製の手帳が落ちている。
失礼かとは思ったけど、フランスだしいいかなんて思いながら適当に中を開く。
「……」
書いてあったのは、たくさんの女の人の名前。
何これ…
表題は「俺の落したいおんなのこランキング☆」。
なるほど、名前の横に書いてあるのはその順位か。
珍しいことに、最下位から書き始められている。
フランスってばこんなもん作ってるなんて…しょうもないなぁなんて思いながら順位をたどる。
国も人間も混じっているところがさすが。
あ、ハンガリーが3位だ…あとで気をつけろって言ってあげよう。
2位の人は知らなかったけど、フランスが選ぶんだからきっと美人なんだろう。
あ、1位はかぁ…ふーん…って、
「えええええええええええ?!」
思わず手帳を放り投げる。
心臓がバクバク言ってる。
嘘だ、こんなの嘘だよ!
だってフランスは巨乳の金髪ねぇちゃんが好きなんじゃないの?!
あたしは黒髪だし、フランスより年下だし、胸なんか…って何言わすんじゃい!
と、ととととにかく、何かの間違い、うん絶対何かの間違い。
あれは見なかったことにしよう、うんそれがいいいよ絶対。
さっき自分で放り投げた手帳を拾ってもとの位置に戻そうとした時、フランスがティーセットを乗せたトレーを片手に戻ってきた。
「おい何一人で騒いでんだよ…」
「うあぁぁぁぁ!」
思わず私は飛び上がる。そしてぽとりと落ちる手帳。
「……あ、ヤベ」
「……」
落ちた手帳に目を向けたまま無言のフランス。
え…怒ってる?勝手に中見たこと怒ってる?
やばい逃げよう。この人キレたらどうなるか知らないし!
「ごっ、ごめんフランス私ちょっと急用できたからやっぱり帰…」
「…」
「はっ、はいぃぃぃ!」
いつものフランスからは想像できない地を這うような低い声。
やばい、やばすぎる。絶対怒ってるこれどうしよう!
ふと顔を上げるフランス。その顔には人の悪そうな笑み。
嫌な予感がする。とてつもなく嫌な予感がする。
「、この中見たか?」
にやにやしたまま近寄ってくるフランス(なんかはぁはぁしてるのは気のせいだということにしておく)
「み、見ましたすみませんごめんなさいもうしませんだから帰してください」
フランスが近づいた分だけ後退する私。
「ゆっくり時間をかけていこうと思ってたが…見たんなら話は早いよなぁ、」
「ち、近寄らないでよ!」
「じゃあ逃げるなよ」
「む、無理。それは無理…って、あ。」
室内なんだから終わりがあるに決まっていた。
私の背中はついに壁にぶつかった。
危ない笑みを浮かべたまま近寄ってくるフランス。
ついにはガシッと両肩を掴まれた。
「あは…あはははははは…」
私の口から乾いた笑いが漏れる。
フランスもフフフフフ…とか笑ってる。そしてなんか白目だ。き、気持ち悪ッ!
「フフフフ……お兄さんといいことしようか…」
「い、嫌あぁぁぁぁ!」
あたしの叫び声がイギリスまで聞こえたとかそうじゃないとか…
これで私も立派なフランス領…
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初フランスで玉砕。