向かいに座ったが、皿の上のスコーンを見て思いっきりため息をついた。



「な、なんだよそのため息は」

「これこそ何よ、ただの炭じゃない」



はスコーンを指でつついて、新兵器?と呟いた。



「ちょ、ちょっと焦げてるだけじゃねぇか」



これぐらいなんてこと...ない、と思う(口にはしないが)



「イギリス...」



は何か言いたいようだったが、紅茶を一口飲んで一息入れた。

そしてティーカップをソーサーに戻すと、じっと俺を見つめた。

窓からの風にの髪がふわりと揺れる。

見とれたなんて、死んでも言わない(言えないんじゃねぇからな!)

一人でそんなことを思っていると、が口を開いた。



「こんなんだからモテないのよ」

「...は?」



はもう一度大きなため息をついて、だってそうじゃないと言った。



「味オンチで料理なんかテロだし」

「てめッ...!」

「短気だし」

「うっ...」

「元ヤンだし」

「おっ、お前それ誰に聞いたんだよ!フランスか?!フランスだな?!」

「酔っ払うと最悪だし」

「あのワイン野郎...ぶっ殺してやる...」

「すぐ白目向くし、眉毛でツンデレだし」

「全否定かテメェ!いい度胸じゃねぇか、表へ出ろ!」

「あんたに惚れる人なんて、相当のバカね。その人、一生馬鹿だって哂われるわ」

「あーもう帰れよお前!」

「あ、ホラ、また白目向いてる」



は思わず立ち上がった俺を見て、呆れた顔をした。

なんなんだよコイツ! 何しに来たんだよ。言いたい放題言いやがってちくしょー。

いくら俺が紳士で大人でも、さすがにす...好きな奴にここまで言われたら傷つくっつーの!

とりあえずフランスの野郎は、血祭りにあげてやる。絶対だ。



「でもイギリス、」

「あーもうお前はそのまま何も言わずに帰れ」

「...わかったわよ。全くすぐにむくれて。子供みたいね」

「ああやっぱりお前俺にケンカ売ってんだな?」

「売ってないわよ。全部本当のことじゃない」

「表へ出ろてめぇーッ!」

「お断りよ、私帰るから」



そう言うとはスッと椅子から立ち上がり、紅茶ご馳走様と言って部屋を出て行った(わざと紅茶、と強調していきやがった)

が部屋を出るのを睨み届けて、俺は椅子に座り込んだ。

カップを持ち上げ、すっかり冷めてしまった紅茶をすする。

それはじわりと何処かにしみて、痛かった(きっとたぶんココロ)

...どーせあいつは俺を恋愛対象として見ちゃいねぇんだ。

ひとつため息をつくと、ドアからひょこりとが顔を出した。それにぎょっとして、危うくカップを落としそうになる。

はフフッと笑ってこう言った。



「言い忘れるところだったけど、私は好きよ?海賊紳士」

「?!」



今度こそ俺の手を滑り落ちたカップが、床で砕けて派手な音がした。

はべっと舌をだして、廊下へ消えた。









馬鹿だって笑えばいいじゃない



(玄関で追いついて、噛み付くようなキスをした)(やられっ放しは性に合わないからな)






*こちらよりお題をお借りしました。
18 and 5






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